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父親の自覚ある?夫が育児をしない原因は「脳」からくるすれ違いかも

平日がやっと終わった金曜日。

子どもを寝かしつけながら、自分も一緒に眠ってしまった。洗い物もしなければならなかったし、洗いざらしだった髪の毛も乾かしたかった。何より、楽しみにしていたドラマの録画を見てお茶のいっぱいでも飲みたかった。

そんな気持ちのまま、休日の朝がやってくる。

夫は隣でまだ寝てる。朝からこの子の泣き声は響いているのに、私は1時間も2時間も前から起きているのに、まだ夫は寝ている。

そんな、いろんな不満を抑えながら「そろそろ起きたらー?」と明るく声をかけてみるも、なかなか起きてこない。

起きてきたかと思えば、スマホをいじったりゴロゴロしたりと、学生の休日とまるで変らないじゃないか。

私の不満は募るばかり。

なぜ、夫は率先して育児をしないのだろう。

せめて、子どもの世話に追われている私の代わりに、洗濯や皿洗いのひとつでも自分からやってくれたら、どれだけ楽になるだろう。いちいち指示するのだって、ストレスになるんだから……

多くの母親がそんな風に、「夫にもっと、育児に参加してほしい」「家事を率先して担って欲しい」と思っています。でも、なぜだかその期待は裏切られてしまう。

出産する前に想像していた、夫婦の連携とか、ほほえましい休日の風景とは何だか程遠いような感じがすることもあるのでは。いくらイクメンがブームになっても、夫婦そろっての育児が大切だと叫ばれても、個人の話となるとそれは理想論でしかないのかと、落胆しているお母さんも多いはず。

日本は、世界でいちばん「夫が育児・家事をしない国」

子どものいる家庭で、男性が家事育児に積極的に参加している割合。日本はなんと最下位です。

日本の男性の家事分担率は、約18%と2割にも届きません。

やってと言わなければ何もしない。

手伝って欲しいと言っても、手際や手順が頼りない。

家事や育児に協力的でない夫に対しては「どこから、どうやって教えたり、指示をしたりしていいかもわからない」と話す女性も少なくありません。

筆者も若い頃は、夫と自分の家事育児の負担、自由時間の割合があまりにも釣り合っていないことに不満を感じたことがあります。

そもそも、筆者自身が何かをお願いする、頼るということが苦手な性格だったことも要因のひとつでした。しかし、それ以上に「夫は働いている」という思いは強かったように思います。

ただ、自分にはまったく自由時間がない。

子どもは3歳代まで夜泣きをすることがあり、朝までぐっすり眠れない日も多い。もちろん乳幼児がいれば、本当の意味での休日などない。

それに対して夫は「外で働いている」という事実があることによって「ONとOFF」の切り替えを許されているように見えました。それがとても羨ましく、妬ましいと思う気持ちも正直なところあったと思います。

そんなことを誰かに相談してみるも

「うちもそうだよ~。男ってほんといくつになっても子どもだよね」

「でっかい長男って感じだよね」

などという言葉が返ってくることが大半でした。それどころか

「うちなんて〇〇だよ!」

「あなたの旦那さんはまだいい方だよ!」

というように「夫が家事や育児をしないレベル」の比べ合いというか、ダメ夫エピソードを投げ合うような会話が繰り広げられることも多かったです。

そこで「うちはこれもやってくれるし、こんなこともするよ」なんていういい例をあげてしまうと、その場の雰囲気が壊れる……なんてこともあると感じるほどです。

その場は「みんなそうなんだなぁ」と少しホッするように感じますが、結局現状は変わらないまま。

夫は育児をしないものだし、女性ががまんしたり目をつぶったりするのは当たり前という、大きな集合意識みたいなものを強く感じたのも事実です。時代は男女平等、均等になりつつあるはず。しかしなぜこんなにも、夫が育児をしない家庭が多いのでしょうか?

夫が家事・育児をしない、できない理由って何?

夫がなかなか家事や育児をしてくれない。こちらが思っているような動きをしてくれない。その理由は、いくつかの「違い」にあります。「2人の子どもなのだから」という思いだけでは乗り越えられない事実があることを、知ってほしいです。

夫は父親であることを「体感していない」

夫に父親になる自覚はあっても、そこに体感はありません。

女性は妊娠中、もしくは妊娠前から「母親になること」や「子どもを産み、育てる」ことを当事者として感じやすい身です。でも、男性はそうではありませんよね。

いくら子どもが欲しいと思っていても、いい父親になろうと頭で思っていても、決意していても、やっぱりどこか「他人事」なのかもしれません。

他人事というのは、自分には関係ないことという意味ではなくて「理解が追い付かない」ということです。

どんなことも「経験した人にしかわからない」ということがあります。それは、妊娠から出産、そして子育てにおいても同じだと思うのです。

頭で理屈を理解できても、体感としてはわかっていないのです。女性だって、自分の経験にないことは理屈で理解していても、その当事者として体感的にわかることはできません。たとえば、病気を克服した人の体験談を聞いて「なるほど、大変なんだな」と頭で理解することはできても、その当事者にしかわからない細かい心情や困りごと、不安や心配などはおそらくわからないはずなんですよね。

その「体感的な差」が、子育て中の夫婦の仲で起こっているのではないかと私は考えています。男性は、子育てにおいてとても不利な立場にあるということです。

子どもができて、産まれた。そして、自分が仕事に行っている間にとてつもない時間と労力を注がれて育っているということ。母親が自分のすべてを子どもに注いでいること。それがどれだけ大変なのかということ。すべてが「頭ではわかっているけど、理解が追い付いていない」のです。

また、夫自身の父親が育児にまったく協力的でなかったという可能性も高いでしょう。お父さんに面倒を見てもらったり、世話をしてもらったという経験がない人も多いです。

父親が家事をしている姿さえ想像できない人も、事実としてたくさんいるはず。体感はなくても、実際に見たり具体的にイメージできたりすれば少しは違いが生まれるものです。時代的な背景の影響で、どのように手を貸していいものかわからないという男性もたくさんいるはずです。

男性と女性では考え方や感じ方が違う

育児がどれほど大変であるかということに、理解が及んでいないだけでなく、男性と女性では「考え方」や「感じ方」が違います。男性と女性では脳のつくりが違う……ということを知っている方もいるはずですよね。

でも、実際にどう違うのか?というのを、日常の場面に当てはめて考えることは少ないと思います。

男性は、自分の好きなことに没頭しやすく、ひとつのことに集中することに長けた脳をもっています。反対に女性は、あらゆるところに意識を向け、同時に複数のことをこなすのに長けた脳をもっているのです

女性の場合はさらに、脳に新しい情報が入るといちはやくそれを察知し、気持ちも高揚することがわかっています。女性は、子どもの様子や家仕事に対してのアンテナの数が10本くらいあるのに対して、男性は1本か2本くらいしかない……ということになりますね。

「私がこんなに忙しそうにしているのに、なぜ平気でゲームができるのよ?」

「育児は子どもと遊んで終わりじゃないのに」

そんな風に、一見無責任で無関心のように思える行動は、男性の脳の特徴であり「らしさ」なわけです。もちろん、そうは言っても腹が立つというのが本音ですが、そこに怒りを向けたり嫉妬してしまうのでは解決が遠のくことがわかるのではないでしょうか。

お願いしてもやってくれない、子どもや自分に興味関心をもってくれないような場合もあるかもしれませんが「わからない」「女性のようにできない」ということが、夫が育児をしない理由の大半を占めている可能性もおおいにあるということになります。

男脳と女脳~違いが生まれるメカニズム~

夫が育児に協力しやすくするには

まず第一に「夫に育児をやらせる」「イクメンに変身させる」といった考え方をしないことが前提となります。そのような感覚の奥には「夫は、わかっているのにやっていない」という見方があるためです。

ひとまず「わかっているのにやらない」のではなく「わからないからできない」という視点に立ってみてください。そして「男性が育児をしやすくするために何ができるか」を考えてみましょう。

「夫は育児ができない」という固定観念を捨てる

「夫は育児をしないもの」「男性は家事育児が下手で当然だ」という固定観念が、女性の中に強く根差してしまっている部分もあると感じます。まずは、その思い込みを取り去ることも重要だと考えています。

私たち母親自身が、幼い頃のことを思い返してみてください。時代背景的にも、現代のような男女平等感覚はなかったし、育児をするお父さん像をイメージできる人も少ないのではないでしょうか。

それも相まって「男は育児をしないもの」「女性ががんばるべき」と無意識に刷り込まれている部分も、ないとは言えないように感じます。

女性だけが家事育児をするのは、時代的にそうだったというだけなのです。だからこそ、これからの時代は「男性が育児をしやすくなる」ためには何が必要かを、私たち女性が先導して考えていくときなのではないでしょうか。

男性の特徴をつかんだ上で「伝える」

「ちょっとは手伝ってよ(イラッ)」

「ちょっと代わってもらえる?(イラッ)」

筆者自身そんな風に、自分の感情を伝えれば夫が動いてくれると期待していたことがありました。男性は感情にアプローチされても、具体的に何をすべきかわからなかったり、何を求められているのかわからないことがあります。

女性の伝え方が悪いという意味ではありません。女性は人の感情を理解して、そこからそこから察して動くということが得意なので、そうしてしまうことが多いというだけです。男性に悩みや愚痴を話すと、論理的なアドバイスや指摘ばかり返してくるため余計に嫌な気持ちになったりすることもあると思います。その逆パターンということ。反応や特徴が違うのは、お互い様なのです。

男性は、前後の見通しを推測して動くというのは元々苦手です。ましてや普段やっていない育児や家事ならなおさらのことなので「何を」「どこで」「どうやって」というくらいに細かく指示を出す必要がある場合も少なくありません。

たとえば「お風呂に入れて」と言っても男性は「お風呂の湯船に入れる」ことしか頭にないということもあります。そのため、子どもの入浴前後の室温チェックや着替え、保湿……といった諸々の大変な作業は、結局母親がやることになるという場面も割と頻繁に見受けられます。

夫に協力してほしいお世話や家事については、仕事上のマニュアルを作るようにして伝えることも選択肢のひとつです。口頭で伝えるのが難しければ、ノートに書き出してリストアップしたり、手順をあらかじめまとめておくことが必要かもしれません。

夫婦ふたりの「対話タイム」をつくる

夫が育児をしやすくするためには、手順の指示や伝え方が大事……とはいっても、感情面での話をすることの大切さも感じます。

夫は夫なりに、子育てに対して何か感じていること、思っていることがあるはずです。何も考えていないように見えても、実はけっこうあれこれ悩んだり心配したりしていることがあります。

これまで書いてきたような、感じ方や見え方の違い、視点のズレなどが大きくなればなるほど、夫婦の心も行き違っていくものですよね。女性は「夫は私にも子どもにも関心がないのだ」と思っているのに対し、男性は「何をどこから、どうやって手を出せばいいかさっぱりわからん……余計なことしないほうがいいのかな」と人知れず考えていることもあるわけです

そこで感情から入る「対話」の時間をときどき作ることも、本当に大切なことです。そのときは、ぜひとも夫に「育児はこんなにも大変」ということを、なるべく論理的に話すといいかもしれません。

「つらい」「疲れる」「きつい」という感情アプローチをしても、男性は「そんなに?何がどのくらい?」というように、ここでもまた理解が及ばなくなるのです。個人的には、なるべく具体的に事実を説明することが効果的だと感じます。具体的な時間などの数字を交えたり、何かと対比したりして話すと、男性は理解しやすいです。

すると男性も「実は今仕事がこんな状況でさぁ……」なんて、愚痴をこぼしてくることもあります。女性は「夫は外で働いているのだからあまり頼れない」と思っている。男性も「妻は育児で忙しいから、仕事がしんどいなんて言えない」と思っていることもあります。これでは、お互いにフラストレーションが溜まるのは当然です。

子どもが寝てからたった30分でもいいので、向き合って話す時間をもてるといいですね。

「夫が家事育児をしない」から「夫が家事育児をしやすい」へ

Photo by Jonathan Borba on Unsplash

筆者は子育てをしてきて「大人の感覚で子どもに接してはいけないのだな」と感じることが多々あります。大人は当たり前のようにわかっていることも、子どもにはさっぱりわからないということがたくさんあるんですね。

それは「男女」の違いや「母と父」の違いにおいても、同じことがいえるのではないでしょうか。

もちろん、女性ばかりが歩み寄るというのはおかしな話ですが、理解し合うためにできることがまだまだあるように感じています。「夫は育児をしないものだ」という考えを捨てること、そして夫がなぜ家事育児に参入しにくいのかを考えてみると、これまでと違ったコミュニケーションの方法が見えてくるかもしれません。

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