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実家依存になっていませんか?子育て世帯の経済的・心理的自立と夫婦関係・子どもへの影響

毎日のように実家と連絡を取っている。

夫と過ごす時間、家族水入らずで過ごす時間より、実家の両親と過ごす時間のほうが多い。

結婚してもなお実家の両親と仲がいいことは、いい側面もあります。核家族化が進んでいる中、実家の両親との連携がうまくとれていれば、子育てのサポートも受けやすく母親の精神面も安定しやすくなるでしょう。

しかし、その頻度や程度が度を越してしまうと、夫婦関係に亀裂が入ったり、子どもにとってマイナスな影響を与えてしまったりすることもある……ということを、念頭に置いておきたいものです。

この記事では急増している「実家依存」について、その原因や振り返っておきたいポイントを解説します。

※実家依存は、もちろん夫が自分自身の実家に依存するというケースもありますが、妻が実家に依存するというケースの方が多く見られますので、この記事では妻の実家依存をベースに解説しています。逆のパターンの場合もあることをご承知おきください。

実家依存とは何?

実家依存とは、その名の通り「実家に依存してしまう状態」のことです。新しく自分たちの家庭をもったとき、妻が自分の両親に心理的、経済的に依存してしまうこと。

サポートを受けるという度を越えて、両親との時間が長くなりすぎたり、家庭の決め事の決定権を実家の両親にもたせてしまったり、夫の居場所や立場がなくなったりする状況である場合、実家依存に陥っているかもしれません。

実家依存の特徴は?

実家依存は、きっちりと線引きのできるものではありません。しかし夫婦の信頼関係が希薄になってしまうとき、そこには実家の両親との関係性が大きく影響していることがあるので覚えておきたいですね。

実家依存の特徴としては……

  • 妻が家に帰らなくなる
  • 家事がおろそかになる 
  • 家庭の問題は、パートナーより実家に相談する
  • パートナーに頼る前にまず実家に頼る
  • 子どもが夫(妻)に懐かなくなる
  • 子育てや家庭の権限が実家の両親にある
  • 経済的に実家の両親に依存している

ここで取り上げたことは一例であること、またこれらに当てはまるからと言って必ずしも実家依存であると断定できるわけではありません。

しかし、実家の両親に過剰な依存をしてしまうことで、夫婦の信頼関係や結束が弱くなってしまうという構図があるということを多くの人に知っておいていただきたいと思います。

実家依存の原因とは?

実家依存の原因は、子育て世代とその両親の間の心理的な依存です。親離れ、子離れという言い方をするほうがしっくりくるかもしれませんね。

家族は基本的に、夫婦関係を基盤として成り立っていくものです。しかし、そこに「両親から子への依存」があると、自分たちで家庭を作り上げていくという夫婦の結束をじゃましてしまうことになるのです。

たとえば、夫との問題や夫婦喧嘩などで、実家の母や父に夫の愚痴をこぼすという人は少なくないと思います。もちろん、そうして誰かに聞いてもらったり、人生や夫婦の先輩として話を聞いたり、アドバイスをもらうことができればいいですよね。

しかしそこで「嫌ならいつでも帰ってきなさいよ」「そんな夫どうしようもないわね」といった具合に、子どもを親元に戻そうとしてしまうことはよくある話です。自分で決めた結婚なのであれば「あんた、もっと夫を大事にしてあげなさいよ」「まずは夫婦で話し合いなさい」という具合に、びしっと線引きをするような場面も必要です。

「自分の子どもに苦労させたくない」「自分の子どもが心配で手放せない」と感じてしまう両親は、自分の子どもが結婚生活で苦悩したり、葛藤したりすることをやすやすとやめさせてしまう……ということもあるのではないでしょうか。

親が、家庭をもった自分の子どもに対して親離れできていない場合、過剰に手を貸したり、甘えを許しすぎたりする。ケースによっては、頼まれてもいないのに親が子ども夫婦の中に介入しすぎたり、干渉しすぎたりして関係性を破壊することもあるのです。

両親との関係は、夫婦関係に深く影響する

夫婦関係は、夫と妻一対一の関係性のように見えますが、実は両親との関係が深く影響していることを知っておきたいですね。

結婚は相手とだけで済むものではなく、義理の両親との関係をいかにうまく保つかということも重要なのです。そこが厄介で難しいケースも多く「結婚相手のことは好きだけれど、義理実家とどうしてもうまくいかない」ということで離婚に至ることも少なくありません。

親子間での心理的依存は、本人が全く気付いていないこともありますし、お互いの育ちや価値観が違うことで分かり合えず、気持ちのすれ違いが起こることも多いです。

ただ、個人差や程度の差こそあれ、「夫婦の間」の信頼関係が第一であるということ

問題が起こったとき、目の前の夫や妻に向き合う前に実家の両親のもとに逃げたり、パートナーよりも実家を重視してしまったりすると、信頼関係は崩れやすくなることを念頭に置いておきたいものです。

実家依存の例

例えば、妻が実家に依存している場合、子どもたちはおじいちゃんおばあちゃんのほうにばかり懐き、父親への愛着が薄く感じられることがあります。

父親が仕事で忙しく、母と子だけで実家に行くことが多い場合や、父親が母親の実家の両親と交流をもちたがらない……ということも少なくありません。

また、男性の中には親せき付き合いが苦手だったり、たわいもない世間話をするのが苦手だったりすることも多く、妻の理想とするような「交流」が持てないこともあります。

そんなときに、妻が「夫がいると実家の両親と楽しく過ごせない」と感じたり「こんなに世話になっているのに、夫は自分たちの両親に愛想がない」などと悪い印象を強めることもあるのです。

ここには、妻が夫よりも実家の両親のほうに権威を感じていたり、尊重しなければならないという心理が隠されていたりするかもしれません。

経済的な支援を受けている場合や、心理的に依存している場合、妻の優先順位が「夫<実家の両親」になってしまい、それを感じ取った夫はますます家庭に居心地の悪さを感じるようになります。

特に金銭的な援助を多く受けていると、どうしても両親を敬いすぎたり、意見を尊重しすぎたりするという心理が生まれやすくなります。経済的自立は心理的自立の第一歩ともいえるので、お金の援助をどの程度受けるかについては慎重になる必要もあるでしょう。

あくまでも例ですが、実際に意外と身近に起こっていることです。ご自身は、パートナーと両親どちらを優先しているか、どちらを重要視しているかを振り返ってみるとよいかもしれませんね。

実家依存と子どもへの影響

子育て中は、特に実家の協力が求められることも多いですよね。そこで、実家依存と子どもへの影響についても考えておく必要があるでしょう。

夫婦どちらかが実家に依存している場合、子どもから見ると「親」よりも「祖父母」のほうが強い権限をもっているように感じられることがあります。

もしくは、父親よりも祖父母のほうが好き、親しみやすいと感じて、父親に懐かなくなることもあります。

特に母親は「実家の世話になっている」「経済的なサポートを受けている」という無意識の負い目から、両親への心理的依存を強めることがあると先に述べました。

子どもたちは母親の感じていることや、家族の微妙な関係性を敏感に感じ取っています。そのため、父親を軽視するようになったり、父親の存在を希薄に感じたりして、距離が生まれてしまうのです。

夫自身も「家族から必要とされている」という実感をもちにくくなり、さらに距離が遠くなる……。

夫婦は、妻も夫もどちらも同じように、一家のリーダーとして同等の存在感と権限をもっていたいものです。そのためには、実家の両親との距離感やサポートの頻度、金銭的な援助をどの程度頼るかということも、しっかり考えながらバランスを保っていく必要があるといえます。

夫婦関係の亀裂を期に「自分の育った親子関係」を振り返る

夫婦関係に亀裂が入りそうになったとき、そこに実家両親との関係がどの程度密着しているかを振り返る必要があると考えています。また、実家の両親との関係で夫婦でけんかや論争が起こる場合も、育った親子関係を振り返るよい機会だととらえてみるとよいです。

実家の両親はあくまでもサポート役

実家の両親は、あくまでも外部のサポーターと考えてみてください。

実家の両親を大切にすること、助言・アドバイスを受けること、適切な支援を受けること。これらは現代の子育てには欠かせない力でもあります。

しかし、そこに心理的な依存が発生してしまうと、家族関係が大きく傾くこともあると考えておきましょう。

実家は「家族だけれど外部のサポート役」であるということを再認識しておきたいですね。子どもたちにとっても、家庭の基盤は父と母であることを姿勢で伝え、祖父母との関係が癒着しすぎないように見守ることも必要なのではないでしょうか。

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