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ASDの子どもの「こだわり」……違う道を嫌がる時はどう対応する?外でパニックになったら

自閉症スペクトラムの子どもたちは、個性色々な”こだわり”と”マイルール”を持っています。実際にASD育児をしているお母さんであれば、日々の中で実感しているのではないでしょうか。

  • 同じ方法、やり方の順序にこだわる
  • 規則正しくおもちゃが並んでいないと怒る
  • 同じ道を通ってしか出かけられない
  • 同じものをひたすら食べる、飲む

など、決まったパターンの中で生活することを好むことも多いものです。

この記事では、筆者の経験を基に「ガンコな道に対するこだわり」の対応の仕方をご紹介してみようと思います。

同じ道を通ることにこだわり、違う目的地に行く事が困難

Photo by Zahra Amiri on Unsplash

「ちょっと寄り道」「時間があまりないから裏道で行きたい!」というのが、ASDの子どもにとってむずかしいことがあります。たとえば筆者が経験したのは、毎日登園で通っていた道を、バス登園になることで変更になったとき、「こっちじゃない」と指さしをし始め大泣き。

帰り道、お気に入りの牛乳を切らしているからとスーパーに寄ろうとしたら「なぜここで止まるのか」と大泣き。そんなことはしょっちゅうありました。いつもより大きな公園に行く事も、桜のきれいな場所へ連れていくのも、子どもにとっては「いつもと違う不安」がつきまといます。

しかし、ASDの特性としては「予測のつかないことが怖い」「臨機応変に切り替えることが苦痛」であるのも仕方がありません。そこで私はあれこれと試行錯誤し、ひとつずつ乗り越えていくことにしました。

「目的地」を写真を使って明確に伝える

道が違ったりいつもと違ったりして不安になるのは、「目的地」がわからなくなるからです。その道を通ることでたどり着く場所がはっきりしていれば、記憶力の高いASDの子どもはパニックになりにくいんですね。

  • 園の入り口の写真
  • スーパーの付近の写真
  • 療育施設の写真
  • よく行く公園の写真
  • 自宅の写真

視覚的に見るとイメージがしやすいため、写真をとにかく活用しています。言葉で「ちょっと○○に行くよ」と言っても、うまく本人に伝わっていないことがあります。

必ず家を出る前や帰る時に、写真を見せて「目的地」をはっきりと伝えることを徹底しました。「今からここに行くよ。ここ知ってるね?○○先生がいるね」など声掛けをし、本人がうなずいたりしっかり反応してから外出するようになりました。すると不思議なことに、少しずつ混乱が減り、通れる道が増えていったのです。

「なにが起こるかわからない」という不安を取り去ってあげる努力は、常にしておいて損はないでしょう。

ご褒美の与え過ぎには注意を

Photo by Moritz Kindler on Unsplash

たとえば、うまくご機嫌にお買い物に行けた時や新しい場所へ行けたときなど、ご褒美におやつをあげることってありませんか?子どももそれで喜びますし、しばらく間がもったりするので、与えがちだったりします。

しかし、「ここへ行くと必ずおやつがもらえる」というパターンを作り込んでしまうと、今度は必ずおやつやアイスなどのご褒美を与えなくてはいけなくなります。(もらえないことで、またパニックになる)

  • はじめて電車で静かにできたとき
  • はじめての場所で泣かずにいられたとき
  • 進級や新入学で不安いっぱいの時期

など、ご褒美をあげるときをしっかりと定めて大げさなものを毎回与えない工夫も大切です。小さな飴玉やラムネなどをひとつだけあげて、よくできたねとたくさん抱きしめてあげるくらいでいいでしょう。

そして徐々に、ご褒美がなくてもできるように導いていきましょう。そのためには、賢くできた瞬間によく褒めて、抱っこをしてあげるなどからだに刺激をいれてあげるのがおすすめです。

パニックになる回数は、成長と共にかならず減ってくる

年齢が小さいうちや、お母さん自身が扱いに慣れていないうちは、幾度となくこうしたパニックに対応しなくてはなりません。筆者もずっと戦っていきましたが、それは必ず成長とともに減っていくと伝えたいです。

「ずっとこんな感じだったら、どうしよう……」「外に出ることすら億劫だ…」と途方に暮れることもあると思います。しかし、必ずASDでも子どもは確実に成長し、癇癪やパニックを起こす回数は減りますので心配しないでください。

外でパニックになったときの対処

  • ①危ない道から避難する(道路沿いや溝がある場所から離れる)
  • ②できるだけ静かな場所へ移動する
  • ③無理に抱きあげたり、「どうしたの?なぜ泣いてるの?」と声掛けしない
  • ④落ち着くまで待ってあげる
  • ⑤本人の気持ちが落ち着いてきたところで抱きしめてあげる

公共の場で大声で泣いてしまったときは、早々にできる限り人目のつかない場所へ移動しましょう。周囲の人から視線を向けられることで苦しいのはお母さんです。特性を十分知っていない人の方が多いのが現実ですから、周囲の人に「すみません」と平謝りする必要もありません。どんと構えて「よし、ちょっと避難しよう!」と冷静に対応していきましょう。

こだわりを否定せず、ゆっくり混乱を減らしていく

Photo by Alvin Mahmudov on Unsplash

ASDの子どものこだわりは、否定せず理解してあげるのが得策です。そのこだわりをなくさせようとすることは逆効果になり、より一層混乱させてしまうことになります。発達障がいがあるからと、たくさんの経験をして伸びもらいたいと無理をして、あちらこちらに連れていくこともしなくてよいです。

できる範囲で少しずつ、行動や活動の範囲を広げましょう。お母さんも子どもも、負担にならない程度でいいのです。ほとほと疲れてしまう時もあるとは思いますが、ずっと続くわけではありません。どうか無理をせず、できることにたくさん目を向けて焦らずに進んでいってくださいね。

この記事を監修している人

SFR代表理事:鶯千恭子(おうちきょうこ)

精神保健福祉士●保健師●養護教諭1種●心理EMDRトレ他

保育士や子育て中のお母さんたちへの講演実績多数。

「心育て」「人格形成」のスペシャリスト。

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