information  

家族において重要な「父性機能」とは?褒めるだけでは育たない子供の”心”

フォト/マルコス・パウロプラドUnsplash

「子供はうんと褒めて大事に育ててあげるもの」

それは確かに間違いではありません。わが子の「悪い部分」よりも「良い部分」に着目し、きちんと認めて褒めてあげることで、子供の自己肯定感と愛着は育まれていきます。

しかし、一方で疑問もついてきます。

「では、叱らなくてもいいものか?」「褒めるばかりではいられない……」ということです。

この記事では、育児において大事な「壁」の役割を成す”父性機能”について詳しくお届けしていきます。

父性機能とは「父親」のことを指すのではない

母親が持つものとしてよく使われる「母性」という言葉。では「父性」と聞けば父親を連想する方も少なくないでしょう。しかし、ここに大きな誤解があります。

「父性機能」とは、父親の存在を示すものではありません。父性機能とは、育児においてのひとつの役割です。たとえばひとつの例として、子供が傷ついて泣いている時優しく抱きとめることを「母性機能」とするならば、子供が自分で乗り越える力を養うためにあえて壁を作ることを「父性機能」と呼びます。 

このふたつの機能が育児の中でしっかりと備わることで、子供は「人にあたたかく受け止めてもらえること」を知り、「だめなことはダメであると自分をコントロールする自制心」を培っていくのです。

つまり、褒めるだけではダメ。きちんとした「壁」を親が作り、乗り越えさせる訓練をしていかなければ、困難に立ち向かうことのできる「たくましい心」が育ちにくいのですね。

「父性機能」を持つ人は、母親でも他の人でも良い

両親の揃った家庭において、お父さんとお母さんが「母性機能」と「父性機能」を役割分担し、バランスよく育てることができるのならもちろん言うことはないかもしれません。

しかし、現代においてはそう簡単にもいかないのが現状です。

母子家庭の増加や核家族の増加、共働き家庭の急増。その中でふたつの機能を持つには、それぞれの持っている環境や持っている気質などを踏まえて上手に役割を振り分けることを考えましょう。

本来「父性機能」とは父親ではなく「役割」のことですから、誰が担ってもよいと言えます。

自分自身を見つめ、上手に甘えることが必要

具体的な例をあげましょう。たとえば、あなたが「受け止めることが得意だけれど、強くいうことが苦手な性格のお母さん」だとします。それならば、それでもいいのです。

この場合は、お父さんや周囲の人に、壁になってもらう必要があるでしょう。もしもシングルマザーで1人だという場合には、子供の担任の先生に「私が全部あとで抱きとめますから、必要に応じてしっかりと叱ってください」とお願いしたって構いません。

また、逆にあなたが「だめなことをきちんと言うのは得意だけれど、思い切り甘えさせることが苦手なお母さん」だとします。それならば、それだっていいのです。

この場合は、お父さんや周囲の人に、受容する(うけとめる)役割をしてもらえばよいでしょう。お父さんに「そうかそうか」と優しく包み込んでもらうのもいいですし、優しい保育士さんに「よしよし」としてもらっても構わないのです。

「父は厳しく、母は優しく」という従来の型を気にしない

お母さんには、どうしても「母親なのに甘えさせてあげられないなんて…」という罪悪感がつきまといます。しかし、それはこれまでの古い考えによって縛られた思いであることに気付きましょう。

「できないことは、別で補う。そのかわりに、自分にできる役割を精一杯担う。」それでよいのです。お母さんがすべての役割をすべて背負い、子供を一人で育てていくのは本来無理が生じるものだからです。

子供にとって必要なのは、いくつもの大切な役割を持った大人が周囲に複数いること。お母さんがこうでなくてはならない、お父さんがこうでなくてはならない、それはいつまでも通用しない時代になってきています。

「誰が」ということより「役割」に注目していきましょう。大丈夫、あなたにはあなたの性質を活かせる役割があるはずです。何もかもを一人で背負い込まず、できないことは上手に甘えることで育児における心の負担を軽くしていきましょうね。

この記事を監修している人

SFR代表理事:鶯千恭子(おうちきょうこ)

精神保健福祉士●保健師●養護教諭1種●心理EMDRトレ他

保育士や子育て中のお母さんたちへの講演実績多数。

「心育て」「人格形成」のスペシャリスト。

LINE登録はこちら↓

https://line.me/R/ti/p/%40076vxnnq