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子育ては、自信がないくらいでちょうどいい。過信せず、現実を見据える力

子育てに自信がある、すべてがうまくいっていると思っているお母さんを見ると、筆者はすこし疑いの目を向けてしまいます。

というよりも「自分の子育てには自信がある」と言っている人に出会ったことが、ほとんどありません。誰しも、外ではそれなりに自信があるように見せていたり、本当に苦しんでいる部分の悩みは口にできないもの。

だからこそ「自分はどうしてこんなに育児が下手なのか」という錯覚にい陥ることもあるかもしれません。

しかし「子育てに自信をなくした」と悩んでいる人は、しっかりと現実に目を向け、自分自身の行動や発言を振り返り、家族や夫婦の問題点に目を向けようとしています。

子育てに自信がないというのは、自分の子育てや家族の「課題」を発見しているということでもあります

この記事では、子育てに自信がないと感じている人の第一ステップとしてできること、考えたいことをお伝えします。

子育への自信は「過信」である可能性も?

Photo by Christiana Rivers on Unsplash

子育てに自信があると思っている人が、果たして本当に素晴らしい子育てをしているか……というと、それは疑問でしかありません。子育てには正解がないもので、ゴールもありません。

筆者自身、上の子どもはもうじき12歳になりますが、まだまだ「自信がある」とは思いません。0歳の育児は、その時初めて経験します。12歳の育児も、そのときはじめて経験するのです。

だからこそ「自信がない」と感じるのは当たり前なのです。

そもそも子どもは母親だけが育てるものではありません。家族、兄弟、親せき、友達……様々な人間とのかかわりの中で育っていくもの。母親の育て方や方針だけで、その子どもの一生や運命が決まるなんていうことはありません。

「子育てに自信がある」と豪語できるのは、母親の立場を過大評価しているか、子育てをしている自分に価値を置きすたりしている可能性も否定できないのです。

また、「子育て」と一言に言っても相手は一人の人間です。一般的にはこうするものだから、自分がこうだったから、上の子はこうだったから、こうすることが最も正しい……という理屈は、通用しないことが多いでしょう。

たとえば「自分が子どものときに○○をしてほしかったから、子どもには絶対○○をさせる!」という意志をもっているお母さんは少なくありません。

しかし、そのもっともらしい理由からくる子育て方針も、子どもがどう感じるか、子どもにとって本当に適切なのかはわかりません。今育っているのは、自分ではなく「子ども自身」だからです。

  • ○○するのが正しい
  • ○○してあげるのが正しい
  • ○○でなければならない

これらはすべて、子どもにとってよいことではなく、自分にとって都合のいいことである可能性もあります。

育児経験を積んでいけば、自然と「こういうときは、こういう対処をするとうまくいきやすい」「こういうパターンは前にもあったからあの時のようにやってみよう」という自分たち親子なりの対処が出てくるでしょう。

それがわかるまでは、誰でも自信がなくて当たり前ですし、正直いつになっても「自分はいい親だ」なんて思えることはないのです。むしろ、自分を過信しないために、自信がないくらいでちょうどいいとさえ感じています。

子育てに自信がないと感じたら「リフレ―ミング」をしてみて

Photo by Isaac Quesada on Unsplash

まず、子育てに自信をなくして八方ふさがりになっているように感じたら、リフレーミングをしてみましょう。

リフレーミングってなに?

リフレーミングとは「ものごとの捉え直し」を意味します。同じ状態や事柄でも、捉え方を変えることで視点が開けたり、焦点をずらすことで解決の糸口が見つかったりすることがあります。

ここでは、具体例を挙げつつリフレーミングでとらえ直していきます。

例①子育てに悩むのは現実を見据えている証拠

まず、子育てに悩んでいるという事実は「現実をしっかりと見据えている証拠」であるとも考えられます。

些細なことにも注目し「もっとうまくできないものか」と考えたり「なぜうまくいかないのか?」と考えたりしている。それが、子育ての悩みです。

ここで注意したいのは「うちの子は本当に困った子」「この子が私を困らせている」という視点をもっていないかどうかの確認です。

子どもには個性があり、感じやすさや行動パターンも十人十色です。そのため、育てやすさも全く異なります。悩みと愚痴は別ものなので「この子が悪い」という視点をもっている限り、それは悩みではなく愚痴になってしまうのですね。

多くの場合、お母さんは「私がもっと上手に対応してあげられたら……」という気持ちをもっているはずです。だからこそ「悩む」「自信をなくす」ということが起こります。

ネガティブな気持ちを抱いてしまっているので、母親として情けないなどと考えてしまいがちです。しかし、捉え方を変えれば、現実をしっかりと見て「どう対処すればいいんだろう?」と、次のステップに進もうとしている証拠だといえます。

例②感情的になってしまうことを「課題」として捉えている

子育てで自信をなくす要因になりやすいのは「感情的」になってしまうことです。叱らない子育てや、叩かず怒鳴らず育てることが望ましいという考えは現代の常識となりました。

しかし、感情的になっていることを自覚し、課題として捉えられることはとてもすばらしいことです。実は、感情的になっていることに気付いていない人もいるし、感情的になることが当たり前になってしまうこともあります。

すぐに感情的になってしまうことを悔やんでいるのは、「これはよくないことだ」という課題をすでに見つけている状態です。感情の取り扱い方を知れば、子育てだけでなく自分の人生において大事なことがわかるようになり、新しい発見や気づきも得られます。

自分の感情を冷静に見ることや、感じることに焦点を当てていけば、少しずつ改善していくことができるのです。

例③役立つ情報や知識を求めている

子育てに自信を持つためには何が必要なのか?どのような考え方を取り入れればいいのか?

こうして記事を読んでいるということは、改善するための知識や情報を取り入れようと具体的な行動を起こしています。知識を得ることや、新しい考え方・捉え方を欲している。

その時点で、親として一歩前進しようとしている段階にいます。

リフレーミングしながら「課題」を整理する

Photo by NeONBRAND on Unsplash

このように、自分の悩みの捉え直しをしていくと「課題」がよりはっきり見えてくるのではないでしょうか。

自分の心や、育児環境、家族や夫婦関係などの問題点を紙に書きだし、整理することも有効です。頭の中で考えているとぐるぐると同じところをループして抜け出せなくなることがありますので、書き出して整理してみましょう。

子育てに自信がなくなったら、状態や状況を把握すること

子育てに自信がない……そう感じたら、上のようなリフレーミングを行うとともに、自分の状態や家庭の状況を客観的に把握してみることも大事です。

ほとんどひとりでワンオペ育児をしているようであれば、疲労やストレスが溜まって心身の状態がおかしくなります。夫婦関係がこじれていれば、家事育児を円滑に回すこともできないでしょう。

状況が悪化していると、なんでも後ろ向きに考えるようになり、自信がなくなったり子どもをを可愛いと思えなくなることもあります。

しかし、多くのお母さんがとても過酷な状況にいるにもかかわらず「自分の力不足だ」と捉えてしまったり、「もっと頑張れるはず」と鞭を打ってしまったりします。

子どもは本来、一人の人間だけの力で育てられるようにはできていないのです。それをこなしている、もしくは複数の子どもを一人で見ているのなら確実にキャパオーバーしている状態です。母親と子ども、共によりどころがない状態ではうまく回るはずがありません。

このような状況では「自信をもって!」「お母さんが前を向かなくちゃ」という本来温かいと感じられるはずの言葉も、素直に受け入れることができないかもしれません。

まずは、家庭の育児環境や夫婦関係、協力体制がどうなっているか、どうかもう一度客観的に判断してみてください。

自信がないのは、伸びしろがあるということ。子育てで親子一緒に伸びていく

Photo by Jeniffer Araújo on Unsplash

子育ては「自信があるからできるもの」ではありません。自信がない部分をどうやって補い、対処していくかが大事です。そのためには「子育ての何がつらいのか」「どんな時につらいか」「何が課題なのか」を一度はっきり可視化することも必要です。

そして、しっかり悩めば必ず解決するということを知ったり、体験したりすることも重要です。自信をもって子育てするのではなく、子育てで起こる問題を解決する経験を積めばよいということ。

育児は「心育て」の視点が重要です。子どもの心を育てるのはもちろんのこと、お母さんやお父さんの心も育てていく必要があります。

まずは、親子ともに成長していくためには自信がないくらいでちょうどよいということを、念頭に置いてみてください。自信がないというのは、自分の立場や力を過信せず、現実を見ている証拠。対処法は必ずあります。

多くの悩めるお母さんが、少しずつ前進していけることを願っています。