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母親が幸せじゃないと、子どもが苦しむって本当?理由をどこよりも詳しく解説

あなたは「まずは母親が幸せにならないと、子どもを幸せにすることはできない」という言葉を聞いことがありますか?

お母さんの不安は子どもに伝わってしまう。

子育ててもっとも大事なのは、お母さんが笑っていること。

こんな言葉もよく耳にします。

しかし、何をもって「幸せ」と感じるかは人それぞれ。幸せでいよう、笑顔でいよう、という心がけはとても漠然としているようにも感じませんか?

母親も人間ですから、子どもに笑顔で接することだけが重要なわけではありません。いつも笑ってどっしり構えられたら、育児にこうして悩むこともないでしょう。

この記事では「幸せである状態」とはどういうことなのか、そしてどうして母親の幸福感が子どもに影響を与えるのかを、詳しくお伝えしています。

「母親が幸せである」ってどういうこと?

Photo by Tanaphong Toochinda on Unsplash

幸せとは「十分に満たされている感覚」をもっていることだと、筆者は考えています。

収入が多いことや、立派な家に住んでいること、子どもの数に恵まれることなど「外的要因」は、根本的な幸福感にはつながりません。

本当の意味で、自分を受容できている状態のことを「幸せ」と呼ぶのではないでしょうか。

自己受容し心が満たされていれば、母親は常に機嫌よく生きることができます。人との交流を楽しんだり、困ったときは誰かに助けを求めたりすることもしやすくなります。

心の中に「さみしさ」「悲しさ」「怒り」などのネガティブな感情がいっぱいに溜まっているのが、不幸な状態です。親は子どもが日々感じるさみしさ・悲しさ・怒りを受け止めて、共感し、循環させてあげる必要がありますよね。

しかし、親の心がネガティブなものでいっぱいだと、子どもの感情を受け止めることも、循環を促してあげることもできません。自分の不幸感覚でいっぱいなので、余裕がないのです。

また、親が心の中にたくさんの幸福感をもっていれば、そのエネルギーを子どもに分け与えられます。

言葉・表情・褒める姿勢・スキンシップ・料理など……ありとあらゆる面で「幸せ」をシャワーのごとく浴びせてあげられるのです。

心が満たされていることで、母親には「余裕」や「余剰」が生まれます。

子どもの話にしっかり耳を傾けたり、深い関心を寄せて子どもを見つめることなど、理想的とされている育児もしやすくなる、というメカニズムが理解できるでしょう。

自分が本当に幸福かどうかを判断するには「自分を受け入れられるかどうか」が重要なのです。

不幸を感じている母親はダメだ、などと言いたいわけではありません。

まずは自分が不幸感覚にとらわれていること、自己受容できていないことを「認める」ことが重要になります。

自分が満たされていないことや、常に不機嫌であることを認めないまま子どもと接するのが、子どもにとっていちばんつらいことです。

なぜ父親ではなく、母親の幸福感が子どもに強く影響するの?

では、どうして父親ではなく、母親の幸福感が重要なのでしょうか。

母親はお腹の中で子どもを育てているため、父親よりも結びつきが強いことも理由のひとつです。生まれてから共にする時間の長さも違うことが多いですよね。

しかしそれだけではなく、女性の能力や特性も強く関係しているのです

女性の共感性は、受け取るだけでなく発信力も強い

女性は、高い共感性をもっている生き物です。相手の気持ちを汲み取ったり、空気を読んだり、調和をとったりすることが非常に得意なのです。

ここでは、その場の空気感や声でのやり取りを得意とすることを「共感性の高さ」と呼ぶことにしましょう。

女性の脳は、声を出して共感しあうことに長けた脳をもっているのです。みんなで和気あいあいを話しをしたり、会話を通じて人との信頼関係や調和をとることが得意になります。

もちろん、個人によって脳機能のバランスは異なるのですが、生物学的傾向としてこのような特性をもっているのです。

相手の感情を察知する能力に長けていますが、その分自分から発信することも得意。

つまり、女性には高い共感能力があることによって、心の中で感じていることを伝染させやすい部分があるのです。

非言語的なメッセージ

非言語的なメッセージとは、直接的な言葉を使わない情報のことをいいます。

  • 指差し
  • 腕組み
  • 舌打ち
  • 睨む
  • ドアを強く閉める
  • ドンドン音を立てて歩く

わかりやすい例でいえば、このように態度で親の思いを伝えてしまうことも非言語的なメッセージです。

直接口で子どもを否定することはなくても、態度や行為を通じて子どもに自分の思いを伝えようとしてしまう作為的なタイプです。

言葉で直接言わなくても、その根底に「怒り」や「孤独」「不安」などの不幸感覚がある場合、それは非言語的なメッセージとして子どもに伝わることがあります。

口で言っていることと、心の根底に思っていることが違った場合、子どもはその矛盾にすぐに気づくものです。

子どもが矛盾に気づき反抗し、それをきっかけに親が自分の不幸感覚に気づけばよいのですが、なかなか気づきにくい部分でもあります。

子どもは矛盾したメッセージを受け取り続けると混乱してしまうのです。

母親が幸せになるためには「守られる」必要がある

母親が満たされることなく、子どもに思ってもいない影響を与えてしまうとしたら……考えると、自分の育児に自信をなくしてしまう方もいるかもしれません。

しかし、決して不安を煽りたいわけではありません。このような原理があることを知っておくだけでも、自分の育児や自分の人生を見つめ直すきっかけになるはずです。

多くの場合、心の根底にあるネガティブな感覚は、自分の親から受け継いでいる可能性があります。

自分の親に、心から成長や幸せを願ってもらった人は、自分の子どもにも同じように接することができますが、そうでなかった場合には気づきにくい不幸感覚に苛まれているかもしれません。

その場合まずは、母親自身が人の交流の中で絶対的な安心感に包まれたり、守ってもらえる信頼関係の中に身を置く必要が出てきます。

地域社会との交流が希薄で孤立する母親

母親が幸せを感じられない原因は、現代の子育て環境にも一因があると考えられます。昔は家族や親族、地域の人が一緒になって子どもを育てるのが当たり前でした。

我が子もよその子どもも、みんな一緒くたになって育ったので母親に負担がかかりすぎず、子どもも母親に執着しすぎることもありません。

母親が子どもをひとりで、24時間365日面倒見ていれば、エネルギーが枯渇してストレス過多になるのも当然です。子どもがいて幸せなはずなのに、子どもと離れたくなる。願っても受けた子どもなはずなのに、心から笑えない……

こうした問題は、母親が未熟なのではなく、子育て体制が整っていない側面もあるということを理解し、自分を責めすぎないことも重要です。

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夫婦関係の不和は「世代間連鎖」している可能性も

たとえ核家族であっても、夫婦の間で適切なコミュニケーションが取れたり、家族というチームとして結束しあうことができれば、母親は満たされていきます。

しかし、現代の多くの大人は、自分たちの親やそのまた親から受け継いだ世代間連鎖の影響を受けているのもまた事実です。

心の根底にあるネガティブな不幸感覚は、自分の親から受け取ってきたものである可能性のお話を、前途しました。特に、母親の孤独感や不幸感覚は、男の子に強く伝わることもあります。

夫婦関係が良好でない場合、母親の心の支えになるのが息子という存在になりやすいのです。

健全に心を支え合うことができればいいのですが、親子関係は支え合いではありません。親は子を完全受容してあげることが理想的です。

現代の男性が「女性を守りたい」と思えなかったり、父親としての責任を負えなかったりするのもまた、親世代から伝承された不幸感覚によるものの可能性も否定できないのです。

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自分は今、本当に幸せを感じて生きているかどうかを見直す

Photo by Kinga Cichewicz on Unsplash

幸せとは非常に漠然としているため、どういう状態を目指すべきかと迷ってしまう場合もあるでしょう。

しかし、子どもに対して「うまく愛せない」「可愛いと思えない」「求めすぎてしまう」といった悩みがあるときは、まず自分の心の深いところにある不幸感覚に気づいてみてください。

どんな人でも、100%幸福感だけで生きているわけではありません。誰しも、悩み、葛藤しながら生きており、その中で子どもや家族に向き合っているはずです。

子どもの幸せを本当に願うのであれば、まずは自分という人間のできかたを点検することも必要でしょう。

子育ては子どもがいくつになっても壁にぶち当たるものですし、子どもが巣立ってからも夫婦関係や仕事、第二の人生設計、親の介護問題などで問題に直面します。どのような局面であっても、不幸感覚は障害になりえるのです。

まずは心の根底にあるネガティブな感覚を認めること。すると「母親が幸せでなければ子どもは幸せになれない」という言葉の意味が体感的に理解できるようになるのではないでしょうか。

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この記事を監修している人

SFR代表理事:鶯千恭子(おうちきょうこ)

精神保健福祉士●保健師●養護教諭1種●心理EMDRトレ他

保育士や子育て中のお母さんたちへの講演実績多数。

「心育て」「人格形成」のスペシャリスト。