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子育てに正解はないけど「根拠」は必要。根拠をもつと子育ては10倍楽しくなる

「子育てに正解はない」という言葉を、様々な場所でよく耳にしませんか?

確かに、子どもも親も一人ひとり個性の異なる人間。「こうすればいい」「これならうまくいく」という最適解はないのが実際です。

ただ「子どもに言ってはいけない言葉」や「これだけはやっちゃダメ」という言葉や行為を見聞きすることも多く「正解はないけど、やってはいけないことや理想的な接し方はあるんじゃないの?」と迷っている親御さんも少なくないはずです。

しかし、忙しい生活に追われる中で完璧な子育てなどできるはずがありません。「もっとこうしてあげたい」「もっとこうすべきだ」という理想論に頭を抱えてしまうことも少なくないでしょう。

どうしていいかわからない渦中にいる現役子育て世代にとって「子育てに正解はないんだから大丈夫、なんとかなるよ」というのは気休めでしかないことも多いはずなのです。

そこで、これからの時代の子育てにおいての要となるのは、正解ではなく「根拠」なのではないでしょうか。

当メディアを運営する家族支援研究機構 SFRは、子育て支援の垣根に「科学的根拠」を据えています。

確かに子育てに正解はないけれど、日々の育児や親子の関わり、家族や夫婦の関係性作りにおいて「根拠」をもった行動をすることは非常に大事なことです。

この記事では、子育てに正解はないけれど「根拠」はあったほうがいいというお話を詳しく取り上げていきます。

子育てに正解はない。でも「根拠」は必要

十人十色、千差万別である育児に対して「正解」を追い求めるのは、自分も子どもも苦しめる原因になり得ます。

しかし「なんとなく」「漠然と」「反射的」な育て方ではうまくいくものもいかない……というのは事実です。これは現役子育て中の筆者の体験からも、身をもって実感することです。

多くの人があいまいな根拠で子どもに接したり、教育方針を決めたりしているのを痛感しますし、自分自身もそうしていた時期が長かったかもしれません。

  • みんながそうしているから
  • 仲の良いママ友が言っていいたから
  • テレビやネットで話題だから
  • 自分がそうされて育ったから
  • 理由は特にないけど反射的にそうしている

このように、なんとなく反射的に子育てをしている場合や、人の意見や社会的風潮によって子育て方針を変えている人も少なくないのが現状です。

あまりにも神経質になっては本末転倒。しかし、子どもの将来を見据えた育児をするには「なぜそうするのか?」や「何のためにこう言うのか?」を、親自身が自問自答していくことは重要であると考えます。

多くの大人が「条件反射」で生きている

条件反射とは、自分の経験則で反射的に言動してしまうことをいいます。

条件反射とは無意識の行動です。まったく自覚がないまま、子どもに自分の反射的行動からくる接し方を続けてしまうことは少なくないのです。

「何のためにこの言葉をかけるのか?」

「なぜ子どもにこれをさせたいと思うのか?」

という、根拠がないのです。

無意識の行動や、条件反射で言動し続けていると、子どもとの関わりの中でつまづいたり、家族内で問題が生じたりしたときに、原因がまったくわからない状態に陥ります。

子どもに対する、条件反射的な接し方とは?

では、反射的な子育てとはどのようなことか、具体例を挙げながら考えてみましょう。

たとえば、子ども転んでケガをしたときにとっさに出てくる言葉を想像してみてください。

「ほら、前を見てないからよ!」

「だから走ると危ないよと言ったでしょう!」

子どもが転んで泣いている姿を前に、このような言葉が反射的に出てくることはありませんか?

子どもを心配する気持ち、痛みやショックに共感する気持ちはあるのに、どうして口からはこのように「叱りの言葉」が出てくるのでしょうか。

これは、自分の経験からくる反射的な反応なのです。つまり自分が幼いころ、転んで泣いたときはこのように言われてきたし、兄弟や友人たちも当たり前のようにこのような接し方を受けていたのかもしれません。

また、子どもが園や学校から持ち帰ってきた作品、テストなどを見て、開口一番発する言葉を思い浮かべてみてください。

「なんでこんな色で書くの?」「なんでこんな簡単な問題で間違えるの?」などと否定してしまうことはないでしょうか。

これも、反射的な対応です。

子育てにおける『NGワード』と呼ばれるものの代表例を以下に並べてみます。

  • 「何やってるのよ!」
  • 「ダメでしょ!」
  • 「早くしなさい」
  • 「片づけないなら捨てちゃうよ」
  • 「禁止」
  • 「お兄ちゃんなんだから」
  • 「女の子なのに!」

ここで挙げた言葉や対応は、子育てにおいて避けるべきNGワードとされています。

そしてこれらは、条件反射で口から出ていることが多いのです。

私たち親が、そのまた親から言われてきたこと、妄信的に信じていることなどが、反射的に口から出ていたり、親自身の不安を掻き立てたりしている場合も少なくありません。

自分の子育てに「根拠」をもつだけで、楽しさややりがいは倍増する

子育ては、ひとつ一つの言動に自分なりの根拠をもつことで、心持ちが大きく変わります。

それは、子どもは根拠を求めているし、大人である私たちも実は根拠を求めているからです。

子どもは「なんで?」「なぜなの?」を知りたがっている

子どもは物心つく3歳前後になると、身の回りの事柄に対して「なんで?なんで?」と聞きたがり、知りたがります。子どもは物事や社会の仕組みを知りたい、という知的好奇心の塊だからです。

なんでなんで?攻撃は、大人としてはときに「しんどい」「めんどうだ」と感じるかもしれません。しかし、人間は本能的に「なぜ?」という根拠や目的を知りたい生き物なのではないでしょうか。

しかし、昔から大人は「ダメと言ったらダメなの」「しかたないでしょう」という言葉で片づけてしまうことも多かったはずです。昔は今と違って情報も少なく、知識を得る機会も少なかった時代ですから、親は自分の価値観や経験則に頼るしか、子育ての術がありませんでした。

しかし、現代はまったく時代が違っています。

エビデンス(科学的根拠)を自分で調べるツールや機会はいくらでもあります。教えてもらえる場所、相談できる場所も格段に増えました。

「なぜ?」という根拠への答えは、いくらでも手に入る時代になっているのです。

親自身が「根拠」をもった生き方をする

まずは、親自身が「なぜなんだろう?」「どうしてこうすべきなんだろう?」と自問自答することが必要です。自分の言動の根拠を探ってみると、自分自身のことがよく見えてきます。

  • 自分はどうして子どもにこう言うのだろう?
  • どうして子どもはそれに反発するのだろう?
  • 自分はどうして子どもに○○を求めるのだろう?

こんな風に「なぜ?」を繰り返していくことで、自分がいかに無意識の条件反射で生きているかがわかってくるのです。

反射ではなく、自分なりの考えや意志をもって生きること。そして、子どもに対しても自分なりの根拠を持って接していくことが非常に重要です。

それは、子どものためだけでなく、自分自身のためにもなっていきます。

根拠をもつと、子どもと接するのが楽しくなる

根拠をもって子どもに接していくと、子育ては自然に楽しく感じ、やりがいを得られるようになります。

親自身が明確な目的や根拠を持って子どもに対応することで、必ず今までにはなかった変化や成長がみられるためです。そして、その変化や成長は、必ず自分の根拠に対する何かしらの「答え」であることがわかります。

その答えは、正解でも不正解でもいいのです。

まずは自分自身が「どんなものを子どもに発しているのか」「何を目的に投げかけている言葉なのか」を知り、それをヒントにして試行錯誤していくのです。

今までのやり方ではうまくいかなかったことも、自分が明確な根拠を持って対応することで明らかに違う反応がみられたり、新しい発見を得られたりします。

この繰り返しが、自分自身の子育てを面白く、楽しいものに変えていく。時間の経過とともに成長をただ眺めているだけではなく「一緒に生きている」という感覚を得られるようになるのです。

根拠を持って行動することは、子育てだけでなく、人が生きる上でのすべてに置き換えられる考え方でもあります。

根拠のある子育ては、正解ではなく「悦び」を与えてくれる

子どもに対して、明確な根拠をもって接するのは正直なところ容易いことではありません。毎日仕事や家事に奮闘する中で、そこまで考える余裕などない……という方も少なくないでしょう。

しかし、その労力や思考した時間は必ず「悦び」になって返ってきます。人間は生き物ですから、数学式のように明確な一つの答えがあるわけでもありません。

ただ、根拠を持って子どもに接していくことによって「子どもを育てるのは楽しい」「人間が育っていく過程って、おもしろい」と感じられるのは事実です。

子どものためはなく、親自身が悦びを感じるために、自分の言動に根拠を持ってみてください。

まずは親自身が意識的になり、反射的な言動に気づくこと。そして「ここからどう変えていけばいいのか?」を根拠を持って考えていくことが重要です。

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この記事を監修している人

SFR代表理事:鶯千恭子(おうちきょうこ)

精神保健福祉士●保健師●養護教諭1種●心理EMDRトレ他

保育士や子育て中のお母さんたちへの講演実績多数。

「心育て」「人格形成」のスペシャリスト。

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